住宅ローンの選び方

 住宅ローンを選ぶ時に、固定金利と変動金利のどちらを選ぶか迷うところです。

 どちらを選ぶかにより、毎月の返済額や最終的な総返済額が変わってきます。

 しかし金利や総返済額だけのポイントで考えると、どちらが良いかは返済中の金利の変動次第なので正直なところ完済してみなければわかりません。

何を基準に判断すればよいのでしょうか?

自分が住宅ローンを申し込む時に、固定金利と変動金利のどちらが良いのか、次のような点を考慮して検討してはいかがでしょうか。

住宅ローンの返済額をあらかじめ確定したい場合は、全期間固定金利タイプが向いています。

同じ時期に借入れるほかの金利タイプに比べて、金利水準は少し高めになる傾向がありますが、借入れる時点で、毎月の返済額はもちろん、将来にわたって返済する総額や利息額が決まります。たとえば、子どもの教育費にお金がかかりそう、収入に変動があり安定しないなど、住宅ローン以外の面で収入や出費が不透明なときには、住宅ローンの返済だけでも見通しが付くと、お金の計画を立てやすいのではないでしょうか。

また、老後など将来のために計画的に貯蓄をしておきたいときに、住宅ローンにかかる出費の見込みがつけば、毎年いくら貯蓄をできるか検討しやすくなります。

この先5~10年程度の返済の見通しをつけるなら、固定金利期間選択タイプが便利です。

固定金利期間選択型の住宅ローンには、固定期間が3年、5年、10年、20年などのものがあります。この期間は、金利水準や返済額が変わりません。

 たとえば、この期間に子どもの進学を控えていて、進路が決まるまで入学金や学費が確定しないけれど、学費を優先したいから住宅ローンの返済額が変わるリスクをとりたくないようなときに使えます。教育などのお金がかかる時期に住宅ローンの固定期間を合わせておけば、その間はローン返済額が変わらず、住居費が変動するリスクを抑えることができます。

 かつ、全期間固定金利タイプよりは低い金利水準で借入れることができます。固定期間が長いほど借入金利は高めになる傾向があります。いつまで固定金利にしたいのか、できるだけライフプランを明確にして検討したいところです。固定期間終了後には、再度固定金利にするか、変動金利にするかを検討することになりますが、その際にはその時点での金利水準に見直されます。

 固定金利期間中に、家計にゆとりがあれば、繰り上げ返済を進めて金利変動リスクに備えておくことも有効です。

借入額が少ない、手元の貯蓄が十分にある、途中で繰り上げ返済を積極的にできそうなケースでは、変動金利タイプのメリットを活用できそうです。

 借入期間中に借入金利が見直される変動金利は、毎月の返済額や利息の額、総返済額が変わるリスクがあります。現在のように超低金利局面で借入れる場合、今後に金利が上昇したときのことを考慮しておくことが大切です。

もしも金利が上昇して返済額が上がっても、借入額が少ないケースや借入期間が短いケースなら、急激な金利上昇でなければ負担する利息額はそれほど大きく増えません。

 その場合は、変動金利のリスクにあまり影響されずに返済できるかもしれません。

あるいは、貯蓄が十分にあって計画的に繰り上げ返済をできれば、借入の残債を減らしたり、返済期間を短くしたりできます。

無理な繰り上げ返済をして教育や老後など、他のライフイベントに支障が出るのは避けたいですが、資金計画をしっかり立てて、金利の負担を抑えながら住宅ローンを返済できるかもしれません。

まとめてみますと

【全期間固定型が向いている人】

・金利が仮に大きく上昇したとき、繰り上げ返済できる十分な資金がない人

・生活費、学費等の支出の増加が予想され長期的なお金の計画を立てたい人

【固定期間選択型が向いている人】

・手元の資金に余裕のある人

・一定期間だけ返済額を確定したい人

【変動型が向いている人】

・借入時点の返済額と返済能力に十分な余裕のある人

・返済期間が短い人、十分な貯蓄がある人

住宅ローンは中長期的に無理なく返済できることが大切です。

住宅のことだけでなく、毎月の家計の収支や教育、老後、介護など、ライフプラン全体でのお金の流れを考慮しながら検討する必要があります。

ファイナンシャル・プランナー(FP)は、これらのお金について総合的な観点で検証して、それぞれのご家庭に合った住宅ローン選びのサポートをしています。

住宅ローンを選ぶ前に是非、ご相談ください。

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