遺言書の大切さ

相続人にとって「遺言書があれば良かった」と思われるケースは意外と多いようです。

 それは、遺産相続をする場合には遺言書があれば遺言書に沿って遺産分割が執行されます。しかし、遺言書が無い場合には相続人全員で遺産分割協議をする必要があるからです。

 相続人に「未成年」「認知症」「障害者」「行方不明」などがいる場合。

 相続人が多い場合は、遺産分割協議が困難になるケースが多く発生しています。

また、親の自宅に親の面倒をみながら同居していた相続人がいる場合には分割の割合で揉めるケースも多数あります。

 遺言書を作成しておくと遺言書が優先されます。相続人の間において分割割合で争うことなくスムーズに相続手続きが執行できるようになります。

遺言書の存在が大切になる理由

 そのほかにも今後ますます遺言書の存在が大切になる理由として、2021年4月に『相続土地国庫帰属法』が制定され、2023年に予定されている施行の後には決められた期間内に不動産の相続登記をすることが義務化されます。

 相続人が他にいない単独相続の場合は、遺言書も遺産分割協議書の作成も必要ありません。

 戸籍を取り寄せて、自分だけが相続人であることが証明できれば、名義変更が可能です。

 複数いる場合には家庭裁判所にて検認された遺言書または公正証書遺言があるとスムーズに相続登記が出来ます。

 しかし遺言書がなく相続人が複数いる場合には、相続人の間で誰が何を相続するかを具体的に定めた遺産分割協議書を作成して、相続人全員が遺産分割協議書に署名し、実印で押印して提出しなければ名義変更ができません。

遺言書として法的効力

 遺言書として法的な効力を持たせるためには一定の決まりに基づいて作成し手続きをしなければなりません。「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の三種類があり、それぞれの成立要件は以下のようになります。

◎自筆証書遺言

・遺言者が、遺言文、日付、氏名、を自書し押印する

・財産目録はパソコンで作成可

・日付の特定できないものは無効(〇月吉日はダメ)

・証人の立ち合い不要

・相続開始後に家庭裁判所にて検認の手続きが必要

・検認の手続きには、遺言書1通につき800円の費用がかかります

・検認前の開封で無効にはなりません

2020年7月からスタートした「自筆遺言書の保管制度」を利用して、法務局に保管されている場合は検認不要

・保管する場合の費用は申請1件(遺言書1通)につき3,900円です

◎公正証書遺言

・公証人役場で証人2人以上の立ち合いのもと遺言者が口授し、公証人が筆記

・ただし、以下に該当する人は証人になれないので注意が必要です

相続人となる人・未婚の未成年者・受遺者及びその配偶者と直系家族・

秘密証書遺言の作成を担当する公証人の配偶者と4親等内の親族・公証役場の関係者

・遺言者、証人、公証人の署名押印が必要

・原本は公証人役場で保管されるため、遺言者が正本の一部を破棄しても遺言撤回とはみなされない

・相続開始後の家庭裁判所での検認は不要

・作成には遺言書の目的となる財産の価額に応じた手数料がかかる

◎秘密遺言書

・遺言者が作成し、署名押印し、封印

・ワープロや代書での作成可

・証人2人以上の前で公証人が日付を記入する

・証人の資格要件は公正証書遺言と同じ

・公証役場で11,000円の手数料がかかる

・相続開始後に家庭裁判所で検認の手続きが必要(遺言書1通800円)

・検認前の開封で無効にはなりません

・遺言書は遺言者が保管する

・「自筆遺言書の保管制度」にて、法務局に保管されている場合は検認不要

遺言書は満15歳以上で意思決定能力があれば作成できます。

 なお、遺言書は満15歳以上で意思決定能力があれば作成できます。

 遺言書は何度でも内容の変更が出来ますし、いつでも撤回が出来ます。

 内容の変更があった場合には日付の新しいものが有効になります。

 遺言者とその配偶者が同一の証書で共同遺言をすることはできません。また、遺言書の中で遺言執行者を指定しておくことで遺産分割がスムーズに執行されます。

遺言書の作成でお困りの方は是非、弊社にご相談ください。

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