どうする?生前贈与を受けたけど相続放棄は出来るの?

(2022年4月1日時点の法令に従って解説しています)

『個人商店を経営していた父親から「生活資金の足しに」ということで、10年ほど前から暦年贈与の制度を利用して毎年50万円から100万円を受け取っていました。先月、父が亡くなり相続財産を整理している中で、債務超過ということが分かり相続人同士が話し合い相続放棄をすることになったのですが、暦年贈与を受け取っていた私は相続放棄が出来るのでしょうか?』

暦年贈与や相続時精算課税制度などの生前贈与と相続放棄は、それぞれ全く違う制度なので生前贈与を受けていても相続放棄を行うことは可能です。ただし相続放棄の手続きは、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に亡くなった方の地域の家庭裁判所に相続放棄の申述を行うことが必要です。また、亡くなった方の携帯電話の解約手続きや預貯金の払戻しを行うなどして、法定単純承認が成立している場合には自動的に相続を承認したとみなされ相続放棄は認められなくなりますので注意が必要です。

相続放棄をしても相続開始前3年以内に生前贈与を受けた分や相続時精算課税制度を利用して受け取った分は相続放棄をしても相続税の申告対象になります。相続放棄をしたから相続税は課税されないだろうと考えていると、後に税務署から申告漏れを指摘され余計な税金を納めなければならなくなる可能性がありますので、非課税枠を超えている場合には注意が必要です。

上記のケースのように亡くなった方が債務超過である場合には注意するべきポイントが他にもあります。

債務超過ということは債務に対する債権者がいます。相続放棄に対してはだれも取消しを主張できませんが、生前贈与行為が、債権者の利益を害する目的でされた場合、債務者の行った不当な財産の処分に対し、利益を害された債権者の救済措置として、債権者がその不当な処分行為の取り消しを裁判所に請求できる「詐害行為取消権」という権利があります。被相続人が生前、すでに債務超過の状態のなか、財産を保全する目的で財産を贈与、移転し、受贈人もその状況を認識していたことが証明された場合に、裁判所が詐害行為として認め、詐害行為が発生して以降の贈与行為が取消される可能性があります。詐害行為取消権は必ず裁判を行う必要があり、裁判以外で詐害行為取消権を行使することは出来ません。詐害行為取消権は、債権者が取消の原因を知った時から2年間で消滅します。

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