2022年民法改正と相続について

(2022年4月1日時点の法令に従って解説しています)

2022年の民法の改正により、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、相続分野についても約40年ぶりとなる改正が行われました。

相続に大きな影響のある以下の3項目について解説します。

1. 配偶者居住権が新設された

2. 被相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭請求が可能になった

3.自筆証書遺言の要件が緩和され、法務局で保管できるようになった

   

1,「配偶者居住権」が新設されました。

 「配偶者居住権」とは、被相続人とその配偶者が同居していた住居に、遺された配偶者がそのまま住み続けられる権利のことです。従来の制度でも、自宅の所有権を相続すれば同じ住居に住み続けることは可能でした。しかし、遺産分割の際に所有権の分を差し引くため、預貯金を受け取れないケースや、場合によっては相続した家の評価額が法定相続分を超えた為に、他の相続人にお金を渡す必要が発生して家を売却せざるを得なくなるなどの問題に対応して新設されました。

2,被相続人の介護や看護で貢献した親族は金銭請求が可能になった。

 従来の民法でも、被相続人の財産を増やすことに貢献した場合、通常の法定相続分にその分を上乗せできる寄与分というものがありましたが、相続人が被相続人の介護や看護をすることは、当然で、寄与分にあたらないとされてきました。

 そのため、例えば次男はずっと、親の介護、看護をやってきたが、長男は全く介護も看病もしなかった場合でも相続分は平等となり、分割協議の時に、揉めるケースが多くみられてきました。そういうケースに備えて、介護や看護した場合の金銭請求を認めた形の改正です。さらにポイントは「親族が請求できる」とされている点です。例えば、次男の嫁が介護・看護した場合に、相続人に対して金銭請求が出来ることになります。これによって、相続人でなくても介護・看護をしてきた方は、その分を金銭として請求することがで出来るようになりました。

3,自筆証書遺言の要件が緩和され、法務局で保管されるようになったこと。

 今まで、自筆証書遺言は「全文自署が必要」で、「自分で保管」し、開封の際は、「家庭裁判所による検認」が必要でした。

 まず全文自署については財産がたくさんある方の場合、それを全て自署で書くことがそもそも大変でした。これに対して、改正民法では、財産目録についてはパソコンなどで作成することが認められました。目録はパソコンで作成して、自署にて「財産目録①の財産は長男に、財産目録②は次男に」というように書けば良くなりましたので、かなり負担が減りました。また、今までは「自分で保管」となっていましたので、相続人が、遺言書の存在だけを知っていて親がどこに保管したか分からない場合は、探し出す手間がかかっていました。これが、保管申請手数として3900円かかりますが、法務局にて保管をしてもらえるようになりました。この場合でも遺言書の更新は可能です。保管手続きをした後は、遺言書保管官が遺言者の死亡の事実を確認した場合に、予め遺言者が指定した者に対して、遺言書が保管されている旨の通知がされます。そのうえ、法務局で保管された遺言書については、家庭裁判所の検認が必要ありません。

 今回の改正では、相続に関するさまざまな抜本的な改正が行われ、更にいくつかの新制度が施行されるなど、従前のルールが大幅に改正されました。今後も、社会情勢に合わせた相続ルールの改正が行われるものと考えられます。相続はいつ発生するかわからないので、そのタイミングで適用される相続税法等の規定を踏まえて適切に対応することが大切です。相続について更に詳しく知りたい方は、お気軽に弊社までご相談ください。

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