相続放棄の味方、相続財産管理人
(2022年4月1日現在の法令等に基づいて解説しています)
相続放棄しただけでは安心はできません
相続人が相続放棄した場合でも、元相続人には相続財産を適切に管理すべき義務があります。
例えば、相続財産が傷ついたり失われたりした場合があります。
債権者から損害賠償請求をされる可能性があります。
また、空き家の倒壊や倒木によって隣家や通行人などに損害が生じた場合には、その損害を賠償する義務を負うことになります。
他にも、故人の自動車などを処分したり税金や保険代を故人の財産から支払ったりすると法定単純承認(相続を承認した)とみなされ相続放棄が無効になる場合もあります。
相続放棄後のリスクを回避するには
放棄した元相続人が相続財産の管理責任や単純承認のリスクを回避する為には、財産管理人の選任が必要です。
相続財産管理人とは、相続人全員が放棄をするなどで相続人がいない場合に相続財産を管理し、清算を進める人です。最終的に残った財産があれば国庫に帰属させます。選任するには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で「相続財産管理人」の選任申立てをしなければなりません。相続財産管理人が選任されると、相続財産管理人が相続財産の管理します。相続放棄した人が管理責任を負うことは無くなります。
費用について
家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てる際には、以下の費用がかかります。
①収入印紙800円分
②連絡用の郵便切手(おおむね1,000円前後)
③官報公告料4,230円
この他に、相続財産管理人に、相続財産の管理事務などの報酬を支払う必要があります。
相続財産管理人の報酬
相続財産管理人の報酬は、相続財産を処分して換価した金銭の中から支払われます。不足する場合もあります。あらかじめ家庭裁判所が概算した金額を予納金として納めておく必要があります。予納金の負担者は、通常、申立人となります。
相続管理
予納金の金額は、相続財産の管理や相続債権者・受遺者に対する弁済など、必要となる手続きの煩雑さなどに応じて変わります。一般的には、数十万円~100万円程度になることが多いようです。
最近、相続財産管理人・不在者財産管理人の予納金額は、概ね50万円程度と低額化しています。事案の内容によって更に減額されることもあります。
予納金
予納金については、相続財産理人によって一定の相続財産が確保された後、共益費用として優先的に返還を受けられることになります。また、予納金以外の費用も、その費目や相続財産の状況によって異なります。相続財産から償還を受けられる可能性があります。
まとめ
相続放棄を、誰にも相談せずに相続放棄した場合。相続財産の管理責任の知識や単純承認の知識が無く、管理責任を追及されます。または、単純承認の行為により相続放棄が無効になるケースがあります。そうならないためにお気軽に弊社にご相談下さい。

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